麻酔は本当に危険?

こんにちは、獣医師の中西 亮太です。

 

暑い日が続いていておりますが、皆様体調はいかがでしょうか。

私は地元は西宮ですが、昨年まで北海道で仕事をしておりましたので、久しぶりの暑さに苦戦しております。

皆様もワンちゃん、ネコちゃん含め気をつけてお過ごしください。

 

話は変わりますが、診察中にこのようなご質問をいただくことがあります。

「手術はしたいけど、全身麻酔って危険ですよね?」

確かに、全身麻酔というと「危険」というイメージはありますよね。

「実際はどれぐらいのリスクがあるのか? リスクを下げるためには何ができるのか?」

今回は麻酔リスクについて解説していきます。

 

2008年に出された論文(Brodbelt, 2008)では、ワンちゃんに対して麻酔や鎮静処置を実施した98036回のうち麻酔が関連して亡くなってしまったのは148回でした。

確率にすると約0.15%、大体1000頭に1〜2頭という計算になります。

人間では麻酔が関連して亡くなるのが10万人に1人と言われており、確かに人間と比べると麻酔リスクは高いですが、数値上決して高くないことが分かっていただけるかと思います。

さらにこの0.15%というのはリスクを冒してでも実施しないといけない緊急手術なども含まれるため、健康な子の手術に限定すればさらに確率は下がると思われます。

また、この論文は10年以上前に出されたものですので、麻酔技術も日々向上している現在ではもっと低い可能性もあります。

 

麻酔リスクを下げるために必要なことは、以下の3つが挙げられます。

①麻酔前の正しいリスク評価

②麻酔中の状態把握とそれに応じた適切な対処

③術後の合併症に対する治療

 

全てを解説すると長くなってしまうので、今回は①の麻酔前のリスク評価について解説していきます。

これはあくまで私見になりますが、麻酔リスクは年齢よりも持病や患者の状態によって決まると考えています。

高齢であっても持病がなく状態が良ければ麻酔リスクは高くないですし、逆に若い子であったとしても重篤な持病があったり状態が著しく悪い場合は麻酔リスクは高いです。

つまり年齢で判断するのではなく、その子にどのような病気があり、どのような状態であるかを把握することが大事になります。

そのために当院では麻酔前に術前検査を実施します。

血液検査は最低限実施し、ワンちゃんネコちゃんの年齢や状態に合わせて画像検査(レントゲン検査、超音波検査)やその他の検査を選択しご提案しております。

検査の結果リスクが高いと判断した場合は手術をするメリットと、リスクをお伝えした上で手術に進むかどうかをご相談致します。

 

術前検査を行ったとしても、全てのリスクを把握できる訳ではありません。

ですが、1000頭に1頭の麻酔によって亡くなってしまうワンちゃんを減らすために、

術前検査は非常に有用です。

 

「本当は治療してあげたいけど、この子は年齢も高いし、麻酔は無理だから。。。」

もしそのように諦めてしまっている方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院までご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

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